こんにちは、吉沢です。
もはや旬を通り過ぎてしまったので、「懐かしい言葉」にも聞こえてしまう、タイトルのこのフレーズ。
ご存じ、才能の塊として何度も例に挙げさせてもらっている大谷翔平くんの言葉です。
知らない人のために念のため。
このフレーズは、WBCの決勝戦の時に大谷くんが日本選手団に対してかけた言葉です。
決勝戦の相手はアメリカで、言わずもがな野球の発祥国ですし、
世界最高峰のスーパースターたちがゴロゴロいる無敵のチームが対戦相手となっていたわけですが、
その相手に勝つために必要なマインドとして、大谷くんが試合前にチームメンバーにかけた言葉がこれ。
憧れるのを、やめましょう。今日1日だけは。
Yahoo!ニュースより
(中略)
憧れてしまったら、超えられないんで。
僕らは今日超えるために、トップになるために来たので、
今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて勝つことだけ考えて行きましょう。
いやー、今見返してもシビれます。
この言葉が日本チームの選手たちを鼓舞させ、結果的に見事優勝を勝ち取ったわけですが、
実はこれ、連日お伝えしている「才能」に関する考え方の中でも、
重要な要素が含まれています。
今日はそのことについてお話ししようと思います。
テーマはこちら。
「憧れるのをやめると、あなたは幸せになれる。」
「憧れ」を持ってはいけない理由
いきなり強烈なフレーズに聞こえるかもしれませんが、
「憧れ」は捨てましょう。
大谷くんは「今日1日だけ」と言っていましたが、
僕たちは「今日から」誰かに憧れるのをやめましょう。
それはなぜか?
「憧れ」とは「自己否定」だからです。
そもそも「憧れ」ってどういうものなんでしょう?
ちょっと話が逸れてしまいますが、
僕には言葉が持つニュアンスや意味を調べるクセがあります。
これなんですが、自分の才能を発掘していく中で、
「ニュアンスが間違って伝わらないように言葉を選ぶ」
という才能があることに気づきました。
たとえば、「おもしろい」という言葉。
実はいろんなニュアンスがあって、絶妙に使い方が変わってきます。
「おもしろい 意味」でググってみると、こんな感じで出てくるんですよ。
1 興味をそそられて、心が引かれるさま。興味深い。
コトバンクより
2 つい笑いたくなるさま。こっけいだ。
3 心が晴れ晴れするさま。快く楽しい。
4 一風変わっている。普通と違っていてめずらしい。
5 (多く、打消しの語を伴って用いる)思ったとおりである。好ましい。
6 風流だ。趣が深い。
実は、会話の中で相手に対して一言「それ、おもしろいね」というだけでは、
あなたが「興味深い」と思っているのか、「こっけいだ」と思っているのか、「風流だ」と思っているのか、
正確に相手に伝わらない可能性があります。
まあ実際には、話の流れとか雰囲気で、なんとなく伝わっているようないないような、
それも含めてお互いに理解しようとし合うので、
特段コミュニケーション上、不都合が起こるようなものでもないのですが、
あなたの感情や、本当に表現したかった内容が、相手に正確に伝わっていたか?という観点で言うと、
「おもしろい」という言葉だけでは、情報が不足しているわけなんですね。
対面の会話であれば、場の雰囲気や相手の表情を読むことで、
そこからそのニュアンスを感じ取ることもできるのですが、
これが文章になるとそうはいかない。
言葉そのものがどういう意味、どういうニュアンスを持っているのか、
正確に理解した上で使うことができなければ、
伝えたいことが正しく伝わらない可能性が極めて高くなるわけです。
こういう絶妙なニュアンスの使い分けができるかできないか、というと、
これが自然とできるのは、実は「才能」なんですね。
思い返せば、会話する時も文章を書く時も、
TPOに合わせてどんな言葉、どんな表現をするのか、
かなり慎重に選びながら、コミュニケーションを取るクセが、
僕には昔からあったんですよ。
これ、何か意識してやっていたわけではなく、
「自然と」、正しいニュアンスで伝わるように配慮をしていたので、
その能力を身につけるために努力をした実感は一切ありません。
いつのまにか身についていた、しかも、意識して見てあげなければ、それが「能力」だということにすら気づいていなかった。
となると、これは「才能」と断定してよさそうです。
おもしろいでしょ?
こういうふうに、
あなたにとっては何気なく、当たり前のようにやっている行動の中に、才能は隠れているものなんですよ。
話が逸れ過ぎたので本編に戻ります。
「憧れ 意味」でググってみると、こんな感じで出てきます。
理想とする物事に強く心が引かれること。
コトバンクより
つまり、「憧れ」=あなたの「理想」ということになりますね。
「理想」に「強く心が引かれる」ということは、
言い換えれば、「現実は、そうはなっていない」ことになります。
もう少し突っ込んだ表現をするならば、
「理想」を思い描くのは、その裏側には「今のままではダメだ」という思いがあるから、じゃないですか。
これ、「自己否定」ですよね?
「現実」、つまり「今の自分」では「ダメ」だと思うから、理想を追ってしまう。
たとえば僕なんかだと、ちょっと前までは会社の部長以上の人たちに憧れを抱いていました。
何人もの部下をマネジメントして、人を動かして、
自分一人ではやりきれないことを、人のレバレッジを効かせて実現させていく、その実行力。
当然、お給料も僕なんかよりはるかに高い。
それに対して自分はどうなのか、と思うと、
入社年次や年齢は上がっていく一方なのに、未だ管理職でもなければ、お給料だって世間一般に比べてさほど高いわけでは無い。
何なら、筋のいい年下の後輩の方がポジション的には上に立っているケースもよく見られるようになってしまいました。
そんな現実の中、僕は焦っていました。
「自分はこのままじゃダメだ。もっと結果を出さなければ‥」
こういう思いから、別に得意でもないマネジメントの勉強をして、後輩たちをうまく動かそうとしてみたり、
今考えれば、自分の力だけでは到底倒せないすごい相手(お客様)に対しても、
周りの力を借りずに一人でなんとかしようと、無理をしていました。
その結果は、ご存知の通りです。
体調を崩して休職することになったわけですね。
僕の実体験からも読み取れると思いますが、
要は「憧れ」とは、「今の自分にはないもの」を求めること、なんですよ。
つまり、「自分が持っていないもの」に目が向いてしまっている、
無いものねだり的な状態が「憧れ」、ということなんですが、
本当に大事なことは、「今あるものを最大限に活かすこと」ではないでしょうか。
「なりたい自分」ではなく、「ありのままの自分」に目を向ける
「理想」を追求して「なりたい自分」を実現するために努力することを一概に否定するつもりはありませんが、
苦手なことにチャレンジし続けるのって、辛くないですか?
少なくとも、休職する直前の僕は、部長以上の人たち、つまりは僕にとって「なりたい自分」を投影しているような存在を目指して、
別に得意でも好きでもないことを学んだり、実行したりしようとしていましたが、
まあ辛かったですし、楽しくもなかったです。
そして、現実問題、結果も出なかったですし、努力した割には、納得のいく評価を得ることもできませんでした。
仮にあなたが超がつくほどのドMで、
自分を苦しめ続けることに快感を覚えるようなタイプなのであれば、
それでもいいんでしょうけど、
おそらくこのブログを読んでくれているということは、
僕と同じようにストレスフリーで楽しく生きたい、ゆるーく自分らしく生きたい、
という思いの方が強いタイプなんだろうと思うわけです。
であれば、あえてそんな苦しい道を選ばずに、
自分らしく、つまり「ありのままの自分」を活かす方向に舵を切ってあげる方が、
何百倍も人生が楽になるし、楽しくなるんじゃないかと思いません?
ここで今日のタイトルの伏線回収に移りますが、
WBCで大谷くんが放った「憧れるのをやめましょう」という言葉。
日本がアメリカに勝てた最大の理由は、この言葉があったからなんじゃないかと、僕は思います。
憧れるのをやめたことで、日本代表の彼らは自分たち自身のことに目を向けることができました。
プロ野球選手として、毎日毎日練習していること。
WBCで優勝するために、どうすれば勝てるか、真剣に話し合ったこと。
限られた練習時間の中で、本番で力を発揮できるよう、最大限に努力をしてきたこと。
自分たちがここまでやってきたこと、今の自分たちが持っている力。
これに目を向けたことによって、彼らは自分たちに「自信」が持てたはずです。
だからこそ、「憧れの存在」であったスーパースターたちがゴロゴロいるドリームチームを相手にしていながら、
彼らをも凌駕する力を発揮し、なんと試合にも勝ってしまった。
「憧れ」が「自己否定」なら、その対極にある「ありのままの自分」は「自己肯定」です。
僕がよく言う「自己受容」とも同じですが、要は「自信」のことと思ってもらえればいいです。
「自信」は「憧れ」を超える力を持っているんですよ。
つまり、「ありのままの自分」でも「なりたい自分」を超えることができる、ということです。
問題は、「ありのままの自分」、
すなわち「あなたが持っている能力」について、ちゃんと把握ができているかどうか、です。
これがわからない、もしくはあると認識できていないから、
自分には無いものを追い求め、それを持っている他の人に憧れを抱いてしまう。
そして、その憧れを追いかけるということは、
あなたにとって辛く苦しいことが待っている、ということにつながります。
そうではなく、あなたの中にすでにあるものに目を向ける。
すなわち、あなたが持っている「才能」を掘り出し、それを活かして生きていく。
そうすれば、たとえ憧れの人になれない、追いつけないとしても、
あなたは幸せになれます。
なぜなら、才能を活かすことができれば、あなたらしく生きられるようになるからです。
まさに、僕が目指している「ノンストレスで楽しく生きる」が実現できるわけです。
さて、いかがだったでしょうか。
「憧れるのを、やめましょう。」
この言葉が、日本代表チームの優勝に大きく貢献したのは間違いないでしょう。
そして、この言葉の本質は、良い人生を送る上でもとても大切なことだと、僕は考えています。
この名フレーズを引用して、僕からあなたに伝えたいことはこれです。
「憧れるのを、やめましょう。
自分の才能に気づき、自信を持って生きましょう。」
具体的な探し方は、追ってご紹介しますね。
それでは、今日はこの辺で。
またお会いしましょう。
バイバイ〜!